横浜の方より遺言書についてのご相談
2023年02月02日
父親と母親が連名で署名している遺言書は法的に有効ですか?(横浜)
はじめまして、私は横浜在住の会社員です。先日、父が横浜市内の病院で亡くなりました。横浜市内の斎場で葬儀を行い、多くの方に参列いただきました。私には年の離れた弟がおり、横浜から離れ、関西で暮らしているため葬式で久しぶりに会いました。相続人は母と私とこの弟になるかと思います。
先日、私が実家に赴いて父の遺品整理をしてる際に遺言書らしきものを見つけました。母に聞いたところ、ずいぶん前に二人で遺言書を書いたと言っていました。自宅に保管している遺言書は勝手に開封してはいけないと聞いていたのでまだ開封していませんが、母の話では、父親の遺産は横浜にある自宅と横浜郊外にある不動産の分割方法が記載されているそうです。ところが、この遺言書には母の財産についても記載していて、二人で署名したそうなんです。二人の財産について記載してある遺言書なんて聞いたことがありません。このような連名の遺言書は法的に有効なのでしょうか?(横浜)
二人以上の署名がされた遺言書はたとえご夫婦であっても無効です。
せっかくご用意されていた遺言書ですが、ご相談者様のお父様の遺言書は残念ながら無効となります。民法上、遺言書をご本人以外の方との連名で作成する事は、「共同遺言の禁止」に該当するため、無効となってしまうのです。
「遺言者の自由な意思を反映させることを基に作成される」ものとして遺言書は作成されるため、2人以上の者が同一の遺言書を作成することはできません。遺言者が複数名いた場合、ひとりが主導権を持ち作成された遺言書という可能性を否定できません。そのような遺言書は作成者ひとりひとりの自由な意思が反映されていないと判断されます。
また、遺言書の撤回についても自由が奪われてしまいます。一人で作成した遺言書であれば遺言者は自由に撤回する事ができますが、連名の場合は2人が同意しないと、遺言書の撤回は難しいでしょう。
遺言書は作成者の“最後の意志”でなければ意味がありません。その最後の意志を証明する大事な書が「遺言書」です。第三者がその意志を妨げるようでは遺言の意味を成しません。
法律で定める形式に沿って作成されていない遺言書は原則無効となってしまうため、遺言書の作成をご検討される場合は、相続手続きに精通した専門家へご相談されることをおすすめいたします。「自筆証書遺言」は作成者の好きなタイミングで作成できるだけでなくご自宅で保管可能なためとても手軽な遺言書ですが、作成方法に間違いがあると故人の最終意志が反映されないため気を付けるようにしましょう。
相続遺言相談センターでは、相続手続きについて横浜の皆様に分かりやすくご説明できるよう、相続手続きの専門家による無料相談の場を設けております。
また、相続手続きのみならず、相続全般に精通した専門家が横浜の皆様のお悩みを丁寧にお伺いさせていただいておりますので、遠慮なくお問い合わせください。
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