相続放棄が認められない事例とその対策について

被相続人に借金などの負債がある場合は、相続放棄を行うことで負債を相続する必要はなくなります
しかし、相続放棄は、必ずしも認められるとは限りません。
ここでは、相続放棄が認められない事例についてお伝えし、スムーズに相続放棄が受理されるためのポイントについても解説します。

相続放棄が認められない事例①単純承認とみなされてしまった

相続放棄が認められない理由は様々ですが主に下記の例のように単純承認と見なされる行為を行った場合は相続放棄が認めらません。

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  • 相続財産を使い込んだ
  • 遺産を捨てた
  • 家の改築など相続財産を改修した
  • 遺産の譲渡をした
  • 被相続人の口座を払い戻して自分の口座に入金した
  • 被相続人の賃貸物件の賃料を借主に請求した、賃料の振込先を自分の口座に変更した
  • 遺産に担保権を設定した
  • 亡くなった方の株式の議決権を行使した
  • 遺産分割協議への参加
  • 相続債務を相続財産から弁済した
  • 相続財産を隠して自身のものした
  • 不動産や車を名義変更した
  • 形見分けで自宅にあったものを相続人で分け合って受け取った
  • 電話や光熱費などの被相続人宛ての請求書がきたので支払った

上記のように多くのケースが考えられます。
特に請求書の支払いなどは日常的なものなので注意が必要です。

相続放棄が認められない事例②申述の期限を超えてしまった

上記の他によくある事例として、申述の期限を超えてしまったケースが考えられます。
相続開始があったことを知ったときから3か月までに相続放棄を行わない場合、家庭裁判所の判所へ相続の放棄ができなくなります。
しかし、この3か月という期間を超えても相続放棄が認められた珍しいケースもありますので、ご紹介いたします。

具体的なケース

相続人の実の母親にあたる方が、相続人が小さい頃に相続人を置いて家を出ていき、相続人はそれから実の母親のことについては全く知ることができなくなりました。
それから数十年経ったある日、母親が亡くなったという事実を知人から知らされましたが、その事実を知ったのは実の母親の死後から一年が経った後のことでした。
また母親には借金があることも併せて知り、相続人は相続放棄をしたいと考えました。
通常では、亡くなってから3か月以内に手続きを行わなかった場合、相続放棄を行うことはできません
しかし、この場合相続人にとって、実の母親の生活、相続財産について知ることできなかったことに関して相当な理由があると認められたため、この実の母親には借金があるという事実を知ってから3か月以内に手続きを済ませれば相続放棄として受理されるという判決が下されました。

相続放棄が認められない事例③必要書類が提出できなかった

相続放棄の申し立てには、申立人が相続人であるかどうかを確認するため、戸籍の提出が必須ですが、戸籍は過不足があっては家庭裁判所で受理してもらえません
転籍などがあると、複数の戸籍が必要になる場合がありますので注意しましょう。

相続放棄が認められるための対策とは

相続放棄が受理されるために申し立て前に主に3つのことに注意を行いましょう。

①遺産の管理をしっかり行う

単純承認と見なされないために、遺産を適正に管理を行いましょう。

②熟慮期間に注意

相続開始から3か月以内に、相続放棄の手続きを行う必要があるため、どのような流れで相続放棄を行うかという全体像を把握し期限内に手続きを完了しましょう。

③「隠れた債務」に注意

自分の知らない被相続人の債務の支払い請求書がきたときは注意しましょう。

借金があることを全く知らなかった状況で突然、請求書や督促状が届いた場合、届いてから、3か月以内に直ちに家庭裁判所に相続放棄の手続きが必要です。

債務が発覚してから3か月を経過すると、その後裁判で争っても相続放棄が受理されません。

また、相続放棄申し立て後に、不受理決定されそのことに対して不服がある場合、通知が来てから翌日から2週間以内に、高等裁判所に即時抗告の申し立てを行うことができます。しかし、不受理決定を覆すだけの相当な理由がなければ、即時抗告は棄却されます。

ただし、相続放棄の不受理決定をされてから即時抗告で決定が覆る可能性は高くないので、まずは申述書や照会書を提出する前に相続放棄に精通した専門家に相談することをおすすめします。

まとめ

以上、相続放棄が認められない事例について解説を行いました。
ご自身ではささいなことだと思うことでも相続放棄が認められない要因になることもあります。
放棄をする可能性が少しでもある場合は、できるだけ早く専門家に相談することをお勧めします。

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最終更新日:2023年10月17日

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