山林を手放したい方へ相続放棄のポイント

山林を相続する場合、被相続人から山林の所有・管理の権限を引き継ぐことになり、相続人が新たに山林の所有者となります。

山林は宅地などよりも活用しにくく買い手が見つかりにくいのが現状です。また、所有しているだけで固定資産税がかかってしまうので、相続を拒む人も少なくありません。

ここでは、山林を手放したい方へ相続放棄のポイントと山林を相続するメリット・デメリットを確認していきましょう。

山林を相続することのメリット・デメリット

山林を相続するメリット

  • 山林を貸し出す 山林の場所や広さなどにもよりますが、自治体や林業関係の業者などに貸し出すことで利益を得られることもあります。 自然環境を守るためなどに山林地の活用をサポートしている自治体もあるので、山林の活用に関心があれば役所で相談してみましょう。
  • 木材の売却
    木材を売却して利益を得ることも可能です。所有者本人が林業をしなくても人を雇って収益化する方法もあります。
  • 地域貢献・キャンプ場として活用
    近年ではアウトドア人気によりキャンプ場などの施設の需要が高まっています。また、山林を地域のレクリェーションの場として役立てれば地域貢献が可能です。
  • 太陽光発電に活用
    広大な敷地内にソーラーパネルを設置することで効率よく売電できるケースがあります。

山林を相続するデメリット

  1. 売却・収益化しにくい
    山林は、建物を建てることができず、宅地などと比べると買い手を見つけにくいのが実情です。宅地に変更したい場合は地目変更登記という別の手続きが必要となりますし、もし、地目変更登記が完了したとしても売却価格は安価になってしまいます。
    また、山林は商業地に比べると収益化が難しいです。木材を売ったりしても利益が出ないケースも多くなっています。自分では林業や林産物業をできない方は人を雇う必要がありますが、更に利益が出にくくなります。
  2. 固定資産税の支払い、山林の管理
    山林を放置することにより荒れていきます。草木が公衆用道路や隣人の敷地内に入ってしまうとトラブルの原因にもなります。そのため管理が必須となり自分でやるか業者に依頼してやることになるので管理コストもかかってきます。
  3. 子や孫の負担
    相続人が山林を引き継ぐことにより、相続人にとっても山林が荷物となる可能性が高まります。また相続人が亡くなった際にはその子に引き継がれ、子孫に負担をかけ続けることになりかねません。
  4. 農地を相続する場合の手続き
    山林や農地を相続するときは、土地所有者の名義変更など通常の相続手続きの他に、山林(農地)を相続する旨をそれぞれの自治体に届出をする必要があります。また、山林の場合は相続開始の日から90日以内に市町村へ届出を提出することが義務付けられています。提出を怠った場合や虚偽の届出をすると10万円以下の過料に処されるので注意しましょう。

山林を相続放棄する際の注意点

相続放棄をしてしまうと山林以外の相続財産すべてを放棄することになります。

プラスの財産が他にある時は慎重に検討しましょう。

また、放棄すると相続権が他の家族に移るので、そこにも注意が必要です。第1順位の相続人全員が相続放棄する場合、法定相続人として第2順位にいる被相続人の父母や兄弟姉妹たちが、相続放棄した被相続人の子どもたちに代わって、相続することになります。つまり、相続放棄すると、初めから相続人とみなされないので、次の順位の法定相続人が、繰り上がって相続していくことになります。子どもが相続放棄すると、被相続人の父母などの直系尊属が相続人になります。直系尊属が死亡していたり、直系尊属も相続放棄したときには、被相続人の兄弟姉妹が、それぞれ被相続人の相続財産を相続していくことになります。相続するものが、借入金やマイナスの価値しか生まない土地の場合、親族間のトラブルの原因になることもあり得ます。相続放棄をするときは、後順位の相続人にしっかりとその意思を伝えたうえで手続きを進めるのが、トラブル回避に繋がります。

親族全員が相続を放棄した場合は完全に責任を免れるわけではありません。相続人全員が相続放棄をした場合は「相続人不存在」となり、土地などの相続財産は一度法人化されますが、この時点で、自動的に山林の管理人が決定するわけではありません。家庭裁判所に「相続財産管理人」を選任するための申立てをし、財産の管理者を選任してもらう必要があります。選任された相続財産管理人によって相続財産の整理が行われ、最終的に残った相続財産の土地などが国庫に帰属することになります。

民法では、相続放棄をしても相続財産管理人が相続財産の管理を始めるまでは、自己の財産と同一の注意をもって、その財産の管理をしなければならないという決まりがあります。

したがって、相続人全員が相続放棄をしたとしても、相続財産管理人が選定されるまでは、法定相続人全員に土地の管理責任が残るので注意が必要です。

相続土地国庫帰属法

相続放棄をせずに相続した土地を国に返す制度があります。それが「相続土地国庫貴族法」というものです。

この法律は2021年4月21に成立し、制度の施工日は公布日(2021年4月28日)から2年以内とされています。ですので、遅くとも2023年4月頃から制度ができるようになります。

相続放棄をせずに相続した土地を国に返す制度があります。それが「相続土地国庫貴族法」というものです。

この法律は2021年4月21に成立し、制度の施工日は公布日(2021年4月28日)から2年以内とされています。ですので、遅くとも2023年4月頃から制度ができるようになります。

相続土地国庫帰属法とは、相続又は遺贈により土地を取得した所有者は、法務大臣に対し、その土地の所有権を国庫に帰属させることについての承認を求めることができる制度です。

国庫帰属の承認を求める要件は以下の要件に1つも該当しないというもので、簡単にできる手続きではありません。

  1. 建物の存する土地
  2. 担保権又は使用及び収益を目的とする権利が設定されている土地
  3. 通路その他の他人による使用が予定される土地として政令で定めるものが含まれる土地
  4. 土壌汚染対策法第2条第1項に規定する特定有害物質により汚染されている土地
  5. 境界が明らかでない土地その他所有権の存否、帰属又は範囲について争いがある土地
  6. 崖がある土地のうち、その通常の管理に当たり過分の費用又は労力を要するもの
  7. 土地の通常の管理又は処分を阻害する工作物、車両又は樹木その他の有体物が地上に存する土地
  8. 除去しなければ土地の通常の管理又は処分をすることができない有体物が地下に存する土地
  9. 隣接する土地の所有者その他の者との争訟によらなければ通常の管理又は処分をすることができない土地として政令で定めるもの
  10. 1から9までに掲げる土地のほか、通常の管理又は処分をするに当たり過分の費用又は労力を要する土地として政令で定めるもの

承認申請が認められると10年分の管理に要する費用の納付が必要となり、申請者(相続人)が管理に要する費用を納付したときに、土地の所有権が国庫に帰属します。申請の内容によっては、法務局の職員と共に申請した土地の実地調査を受けることがあります。その際は、調査に協力しなければなりません。

相続放棄をせずに国に渡す際は多くの条件をクリアしなければいけないことを覚えておきましょう。

まとめ

山林は宅地とは異なり土地活用がしづらい不動産のひとつです。相続財産に山林がある方は相続するかどうか、する場合は活用方法について事前に検討しておくことをお勧めします。

不動産については名義変更、相続放棄ともに司法書士が専門としていますので気になる方は一度専門家に相談してみましょう。

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  • 3ヶ月を過ぎている場合の相続放棄は、1名様のみ96,800円となります。

最終更新日:2022年9月21日

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