遺言書の撤回(破棄・修正)について

民法1022条では、一度作成した遺言の一部または全部を撤回することが認められています。
遺言書は遺言者が亡くなった後の意思実現を目的としているので、遺言者は自由に変更や撤回できるとされているのです。どの方式の遺言でも撤回は可能です。

ここでは公正証書遺言自筆証書遺言の撤回についてご説明します。

公正証書遺言を撤回する方法

まずは公正証書遺言の撤回について説明します。
公証役場で公正証書遺言を作成すると、原本が公証役場に保管されます。 正本や謄本は遺言者に渡されますが、手元のこれらを破棄しても公証役場に原本が残ったままです。

そのため、作成した公正証書遺言を撤回するには、公証役場で撤回の申述をするか、新たに遺言書を作成する必要があります。

公証役場での撤回

公証役場での撤回は、印鑑登録証明書(3か月以内)と実印を用意し、遺言書を作成したときと同じように、証人2名の前で、公証人に対して、公正証書を無かったことにしたい旨を述べて、公正証書に署名捺印します。
手数料として11000円かかります。

公正証書遺言

公正証書遺言は公証役場で保管されているため、相続人が照会の請求をすれば存在の有無を調べることができ、謄本を請求することができます。

新たに作成する場合

新たに作成する場合は遺言書に「●年●月●日に作成した遺言を撤回する」という内容を記載すると新しく作ったものが遺言書としての効力を持ちます。
新しく作った遺言書を混同しないように古い正本と謄本は破棄することをおすすめします。
また、遺言書の全部ではなく、不動産部分、金融部分など一部を撤回する場合もあります。

一部を撤回する場合

一部撤回の方法はいくつかあります。
修正が少ない場合、文字の加入は、その部分に直接記入します。 削除したうえで修正する場合には、修正前の内容が読めるように二重線を引き、その付近に修正文言を記載します。
修正前の文字が見えないと無効になってしまうので注意しましょう。

いずれも、それぞれの箇所に遺言書と同じ印で捺印をします。更に、「〇字加入△字削除」というように記入してをして署名をします。

修正箇所が多い場合には、「更生」「補充」という方法があります。
「更生」は「更生証書」、補充は「補充証書」という公正証書をあらたに作成します。更生や補充は遺言を残すという法律行為の本体の内容を変更しない限度で認められます。

この手続きも必要書類の提出、公証人による読み上げと署名捺印、などの手続きを行い、公証人手数料を支払う必要があります。

自筆証書遺言を撤回する方法

自筆証書遺言を撤回する方法は遺言書の保管方法によって異なります。

➀自宅での保管

手元に自筆証書遺言がある場合は遺言書を破棄すれば撤回となります。

②法務局での保管

撤回書を作成し、法務局に提出をして撤回の予約をし、撤回となります。
遺言書の法務局保管も撤回も本人でなければできません。

また、遺言書撤回のときは撤回書以外特に必要な資料はありません。
ただ、撤回の時に本人確認をしますので、本人確認書類(免許書など顔つきのもの)を提示する必要があります。

なお、法務局保管の自筆証書遺言の撤回は、あくまで法務局での保管の撤回です。
遺言書自体の撤回にはならないため、手元にきた遺言書を破棄し、公正証書遺言の撤回と同様に、新たな遺言書を作成し、以前の遺言書の内容を撤回する旨を記載しましょう。
このとき、新たに作成する遺言の方式は公正証書遺言にしておくと、法的効力が担保されるので安心です。

公正証書遺言を撤回するの際の注意点

遺言書を撤回する際には注意点があります。

➀一度撤回した遺言を再度撤回することはできない

遺言の撤回の撤回はできません。以前撤回した遺言の撤回を撤回するという旨の記載しても意味がありません。 もし一度撤回した遺言を復活させたいという場合は、再度以前の内容と同じ遺言を作り直す必要があります。

②新しく作成した遺言書が無効になるリスクがある

例えば、公正証書遺言を撤回して、新たに自筆証書遺言を作成したとき、要件を満たしていないと撤回のために作った遺言が無効になってしまうことがあります。
こういったリスクを避けるには、新たに作る遺言書も公正証書遺言の方式にする必要があります。

③以前の遺言書を破棄できない

先程記載した通り、公正証書遺言は原本が公証役場に残るため、必ず撤回の申述を公証役場でするか、別の遺言書を作成しなければなりません。

まとめ

遺言書は亡くなった方の最後の意思を示す大切なものです。
遺言書の修正や撤回を間違えて無効になってしまうと、遺言者の生前の意思が実現されなくなってしまいます。 このようなことを避けるためにも、まずは専門家に相談することをおすすめします。相続遺言相談センターでは60分~90分しっかりと時間をとってお客様に寄り添い、今後必要な手続きについてご案内させていただきます。

相続遺言相談センターの遺言書に関する無料相談

当グループは、相続関連業務において国内トップ10に入る業務実績があるほか、上場企業様の相談窓口を担当するなど、接客対応ふくめてきちんと対応させていただいております。相続手続きは、どの事務所に依頼するかで結果が変わる場合もあります。信頼できる相続遺言相談センターにお気軽にご連絡ください。

年間で3,500件超のご相談と、年間2,400件超のご依頼をいただく、相続専門の法務事務所でございます。どんな事でもお気軽にお問合せください。

遺言書についての関連ページ

初めての方にもわかりやすく解説します

相続手続き、遺言書、生前対策を調べる・学ぶ

難解な相続手続き

  • 相続人が海外在住や外国籍
  • 田畑や山林の相続
  • 相続財産の使い込み
  • 相続財産が不明
  • 面識のない相続人とのやりとり
  • 相続不動産が事故物件

相続遺言相談センターの
無料相談のご案内

1

まずは、お気軽にお問い合わせ下さい!

お電話にてお客様のご都合の良い日時をお伺いいたします。
当事務所の専門家のスケジュールを確認させて頂き、ご来所又はご訪問のご予約をお取りいたします。

2

ご予約いただいた日時に事務所へお越しください。

多くの方は、司法書士や行政書士などの事務所に訪問されたことが無いと思いますので、すこし緊張されるかもしれませんが、ご安心ください。
当センターでは、スタッフが笑顔で対応させていただきます。場所が分からない場合には、丁寧にご案内させていただきます。お気軽にお電話ください。

3

無料相談にてお客さまのご相談内容をお伺いいたします。

およそ90分前後の無料相談では、専門家がご相談内容をしっかりとお伺いさせていただきます。
そのうえで、どのような手続きが必要となるのか、一連の手続きの流れと注意点について丁寧にお伝えさせていただきます。どうやったら余計な手間や無駄な税金を省けるかなど、お客様の立場にたって分かりやすくお伝えいたします。

「お客様の家族のように」お手伝い。

何よりも当センターが大事にしている事は、スキルやサービス品質はもちろんですが、「お客様の家族のように」をモットーとして完全に無料相談から手続きの流れや問題解決の方法を身内になったつもりで丁寧にお伝えするを姿勢にあります。無料相談をして、安心できる担当者や料金体系、フォロー体制を確認した上で納得いただいた上でご依頼下さい。「相談したら、いきなり契約をしなくてはいけない」なら、安心して気軽に相談にも行けません。是非とも安心して無料相談をご活用ください。

お電話でのご予約はこちら 横浜・渋谷・藤沢を中心に、相続・遺言の無料相談! 0120-822-489 相続・遺言の
無料相談
メールでの
お問い合わせ