ここでは、身元保証と死後の事務手続きついてご案内いたします。
身元保証業務は、2011年に当グループ代表の黒田と協力先の司法書士法人とで、連携して法律家が担当して対応できる法的な体系を整えたところから全国的にその仕組みが広がったものですが、依然としてまだ一般的には利用されていないリーガルスキームでもあり、当グループも多くの関連団体や新聞社、介護関連企業からの取材を受けている状況にあります。
ここでは、身元保証の仕組みと死後の事務手続きについてご案内させていただきます。
当グループの関連団体で、取り扱う身元保証業務については、毎月4~6名ほどのお問い合わせをいただきます。その多くの方は、老人ホームなどに入所する際に、身元保証人や連帯保証人となってくれる人がいないので、お願い出来ないか?というものです。中には、「身元保証人」というところに名前を書いてくれるだけで良い、と都合の良い解釈をされている方も少なくありません。しかし、そこに身元保証人に記載すると下記のような現実的な対応が求められます。
身元保証人が行う業務
- 当人が入院すると、入院時の身元保証を求められ、介護施設から連絡がある
・実際に病院に行って、入院窓口で入院の手続きと保証金として5~10万円の預け入れ
・退院時にも、病院に訪問して清算の手続きと当人のお迎えの手続き - 当人の薬や介護の方針が変わると、ケアマネさんから変更内容の確認連絡が来る
- 当人が、緊急で病院で入院すると病院から深夜でも、連絡が来て病院に呼び出される
- 当人が、終末期になって病院に入院すると、看護師から治療方針とその確認で呼ばれる
- 当人が、病院で亡くなると死亡確認に呼ばれ、その後、死亡診断書を渡される
・ご遺体が病院の霊安室に移動すると、病院の担当の葬儀社から葬儀の話となる - 当人の葬儀や供養の手配をする流れとなる。最低でも30万円ちかくの費用が掛かる
- 各施設から清算の手続きの要請が来る
・介護施設から、亡くなった方のお部屋の片づけと清算の依頼がくる
・病院から、亡くなった方の病室の片づけと最後の医療費の清算依頼がくる
※ほとんどの病院は振込対応ができず、直接、病院の窓口に支払いに出向く必要がある
- 上記の葬儀の手配以降は、死後の事務手続きでもあります。
死後の事務手続き
- 上記と同様に、葬儀の手配、供養の手配、それぞれの支払い
- お骨を霊園や寺院への納骨する手配
- 病院や介護施設の荷物の片づけ。費用の清算
- 行政機関への各種届出を行う。年金手帳、後期高齢者被保険者証などの返還
- 公共機関への解約手続き。電気・ガス・水道など
- 各種民間サービスの解約手続き。携帯電話、クレジットカード、その他
いずれも自分の親のためにやった事がある方もいらっしゃれば、全く体験した事が無い方もいらっしゃると思います。
しかしながら、独り身の方であれば、誰かに依頼しておかなければ、知人や友人、遠い親族に大変な迷惑をかけて亡くなっていく事になり、こうした手続きを専門家に依頼するケースも少しずつ増えてきています。
こういった細かい手続きや届け出は非常に煩瑣な手続きであるほか、私ども法律家であっても、きちんとした委任契約が無ければ対応が出来ません。ですので、親子・兄弟など一親等の血族でなければ、非常に大変な手続きとなります。携帯電話会社などは、死亡の記載のある戸籍を持って行っても、窓口の若い社員では「本人以外は解約を受付できません」と稚拙な対応をされることが大半です。
これらの手続きを正式に依頼する場合、2つの手続きが必須となります。
①死後事務委任契約:
できれば公正証書で作成される事がのぞましいですが、葬儀・供養はこうする、その他の処分はこうすると明記しておく必要があります。また誰にやってもらうか、その費用はどうするかも決めておく必要があります。
②財産管理契約:
司法書士か弁護士であれば、他人の財産を仕事として預かる事が出来ます。ですから、上記①の契約で必要となる葬儀や供養の費用、部屋の片づけ費用(処分業者の費用)、これらの事務を代行してくれる方の報酬などを管理口座に予め預け入れしておく必要があります。また、当法人では、信託口座を契約しておりますので、一定条件が無ければ預かったお金の引き出しが出来ない契約になっております。こうした安心の仕組みを持っているところに依頼する必要があります。
これらのように、身元保証業務や死後の事務手続きは、まったく簡単な業務ではありません。
ご自身の終活を身ぎれいにきちんとしたい方は、私どものように実績ある専門家に相談して、きちんと契約書を残しておかれることをお勧め致します。
残念ながら、最近では自宅で運営している個人事務所による不正や、契約書で取り決めをしないで毎月1万円などをもらって口約束しておきながら、亡くなった後は本人がいないので何もしないで放置しているなど、終活という名前で仕事を請け負う、いい加減な事業者が増えてしまいました。
組織的な対応ができる、きちんと信託口座などで管理ができる、また相続や死後事務で実績がある(国内でも指折り)、当グループにまずはお気軽にご相談ください。